美味しい店には情がある

2013年秋号掲載

漬物 阿波屋【東灘区】

阿佐良雄さん(昭和13年生まれ)・幸子さん(昭和19年生まれ)

阿佐良雄さん・幸子さん

色鮮やかに漬かったキュウリやナスの漬物、沢庵漬けや甲南漬などが丁寧に並んだ店先に、買い物客が足を止める。甲南本通商店街にある漬物店「阿波屋」は創業50年、東灘区で唯一残る漬物専門店だ。旬の野菜を吟味して仕入れ、店の工房で漬け込みをして店頭に出される漬物を目当てに遠方から訪れる人もいる。店主の阿佐良雄さんと奥様の幸子さんは「長く贔屓にしてくださるお客さんのためにも、現役を続けたい」と日々の営みを大切にしている。漬物だけでなく、小売店では珍しく凮月堂の菓子類が置かれているのもユニーク。おふたりの誠実な人柄と丹念なものづくりに、ほっこりとした懐かしい味わいを感じる。

店頭には、色とりどりの手作りの漬物が並ぶ。白いご飯には欠かせない、日本の味だ。

店内の一角は神戸凮月堂のコーナー。個人店での提携店は珍しく、手土産としても喜ばれている。

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