私の街の「裕」ちゃん&「ルリ子」さん

増田 繁治(ますだ しげじ)さん

北区・昭和16年生まれ

増田 繁治(ますだ しげじ)さん

鮮やかな印が浮かぶ増田さんの作品。

絵手紙も長年の趣味。

方寸の中に知識と心情を表現する篆刻家

増田さんが篆刻(てんこく)を始めたのは、設計士として勤めていた40歳の頃。水彩画や版画が好きで、趣味を広げたいと習い始めたのがきっかけだ。定年後は本格的に制作に取り組み、本場中国との交流会に参加するなど、今では趣味の域を超え教える立場に。篆刻は、漢字の中で最も古い書体「篆書体(てんしょたい)」を表現する書道の一分野。言葉を選び、古い資料を調べ、ひと文字ひと文字の意味を吟味して、印稿(原稿)を作る過程が、何より楽しいという。作家の教養、感情やセンスが現れるも篆刻の魅力。「印刀で石を彫るのは力がいるし、細かい作業。体力の続く限り、篆刻の奥深い世界を追求したい」と、探究心はつきない。

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